2011年6月28日火曜日

“KAMEの翼”プロジェクト・プレイベント2011




この夏に開催する“KAMEの翼”プロジェクト・プレイベント2011のフライヤーを入稿しました。7月3日に納品予定です。
プレイベントでは高橋さん、土井さん、大塚さんの制作・展示をはじめ、プロジェクトメンバーである原田くんの東北被災地のレポート発表など、充実した内容になりそうです。
サポーター同士の交流会も企画しています。
まだお互いに面識のないサポーターとの出会いも楽しみです。

nagi

2011年6月27日月曜日

プロジェクトメンバー石巻・女川へ -5

現在の女川町中心部


私原田は,今月19日まで,東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県石巻市および女川町で活動してきました.今は静岡に帰っておりますが,これからも時間を見つけて行こうと思っています.
前回に引き続き,東日本大震災の被災地である宮城県石巻市・女川町での活動についてレポートします.

●カメパオプロジェクトの女川での活動


・女川町立第四保育所の入所式
入所式の様子

 6月12日(日)
 この日,女川の保育所に,およそ3ヶ月ぶりに子ども達の声が響いた.
 この保育所は,3月14日に我々がカメパオを設置した場所.

 女川町には4つの保育所があったが,津波で流されてしまったり,避難所になっているなどしているため,現時点で再開できるのはこの第四保育所のみ.それでも,職員さん達の必死の努力で再開にこぎつけた.
 女川町には,場所が少ないため,避難所や仮設住宅が町外になってしまっている方も多くすべての子ども達が戻ってくるわけではない.今回の再会では合計100名ほどの子ども達が集まった.

 入所式では,保育所の歌を皆で歌ったり,先生方によるお楽しみ会が開かれたりなどした.保護者の方々も含め皆が笑顔でとても暖かい雰囲気だった.子ども達はとても落ち着いた様子で,見ている限りではこの3ヶ月のいろいろな出来事の影響はほとんど無いのでは,と思えるほどだった.

 先生方は,今まで役場の職員として避難所の運営などにあたってきたが,これでようやく本来の仕事に戻ることが出来る.子ども達も,これまでは始終避難所にいなければならなく,友達と遊ぶこともなかなか出来なかったが,これからは保育所で思う存分友達や先生と一緒に遊ぶことが出来る.保護者の方々も,お子さんのこと心配せずに仕事に行くことが出来る.

 まだまだ,復興への道のりは長いが,これは大きな一歩だと思う.

久しぶりの第四保育所




・カメパオの様子
 入所式から数日後.
 実は,カメパオは入所式の場所確保のため一時解体されて保管されていた.カメパオの再建に向けてカメパオがどのような状態なのか見せてもらいに再び第四保育所を訪れた.

 カメパオは既に,保育所の子ども達の部屋に戻されていたが,まだ組み立てられてはいなかった.先生方に話を聞けば,以外に場所が少なくカメパオを再び組み立てられずにいるということだった.
 最初にカメパオを組み立てた場所であるホールは,昼過ぎには,昼寝の場所になる.ちょうど私が訪れたときは昼寝の時間だったのだが,子ども達はホールだけでは入りきらず隣の部屋も使用してようやく全員が寝られるような状態で確かに場所が少ない.
 そのため,カメパオは解体されたままの状態(上部と下部を分け,さらに下部をいくつかに分解した状態)で子ども達の遊び場になっていた.この状態であれば,使用しないときは積み上げて保管することができるため場所は少なくて済む.



 実際に子ども達が遊ぶ様子を見ることは出来なかったが,子ども達はそれぞれ箱の中に入り,その中でままごとなどの遊びをしたり,箱にすっぽりと収まってそこでじっとしていたりなど思い思いに遊んでいるという.

 この状態でもそれなりに子ども達には人気で楽しんでくれているようだが,せっかくのカメパオなのでもう少し立体的な形状にして,子ども達が中で遊べるような状態にはしたいという話だった.
 今度メンバーが訪れるときには違うアレンジが出来るように,何かプランを考えるという事で保育所を後にした.

・勤労青少年センターのカメパオ
 前回まで数回にわたりレポートした女川町役場勤労青少年センターのカメパオの様子も聞きに言った.
 しかし,聞きに言ったときは既にカメパオは無くなってしまっていた.やはり,材料にしたダンボール箱が弱く,箱が潰れ,修復不可能な状態になってしまい処分されてしまったそうだ.
 ここの子ども達は,ずいぶんカメパオを気に入ってくれていた様子だったのでとても残念だが,潰れてしまったということはそれだけ遊び尽くしてくれたということなので,ここにカメパオができたことはとても良いことだったと思う.

harada

2011年6月12日日曜日

プロジェクトメンバー石巻・女川へ -4


前回に引き続き,東日本大震災の被災地である石巻市・女川町での活動についてレポートします.

●カメパオプロジェクトの女川での活動

5月29日 カメパオ次男の成長
 
 カメパオ次男は,女川の保育所の保育士さんたちが,支援物資の箱を使って独自に作り上げたカメパオ. カメパオ次男は,女川町立第一保育所の迎えにある女川町役場勤労青少年センターの体育館に設置されている.基本的には,青少年センターで避難生活をしている子ども達(幼児から中学生まで7・8人程度)のみが遊ぶことが出来る.
 
 前回訪れてからおよそ1週間.カメパオ次男の様子を見てきた.

 青少年センターの体育館は,照明等が余震で落ちてくる恐れがあるため避難所として使用されていない.そのため,子ども達だけで体育館に入り遊ぶことは禁止されている.子ども達がカメパオで遊ぶためには,避難所に常駐している保育士さんかほかの大人が同伴していなければいけない.しかし,保育士さん達を始め,大人達は土日でもそれぞれやることが多くなかなか子ども達はカメパオで遊ぶことができないようだった.

勝手には遊べない

 今回は,私原田と,私が石巻・女川で行動を共にしている渡辺さんの2人で訪問した.私たちが一緒であれば,子ども達にカメパオで遊んでもらうことができるということだったので,子ども達と一緒にカメパオで遊んできた.この日は,小学生3人と中学生2人が青少年センターにいた.
 私たちがいることで,子ども達は安心して遊べるようで,ずいぶん楽しんでもらえたように思う.結局3時間ほど青少年センターに滞在しカメパオで子ども達と交流してきた.

 前回,できたての時点でかなり損傷が激しかったため,今回は工作用紙,大量のガムテープ,マジックなど修復の道具を用意して行った.
 「いっしょにカメパオを直してね」というと,子ども達は積極的にガムテープや工作用紙を手に取り,破れた箇所の修復を行ってくれた.そして修復が大体済むと,カメパオの改造が始まった.5角形に空いた窓にドアを付けたり,上部の天窓にフタを設置したり,煙突のようなものを作ったり,思い思いに絵を描いたり少ない時間ではあったが,カメパオの様子はずいぶん変わった.


天井に窓を付ける
天窓完成
これが入り口のドア
ますます大人は入りにくく・・・
煙突

 子ども達が,どんどん新しい事を考え,「これはないのー?」「ガムテープはもうないの?」と次々と言ってくるのでこちらもとても楽しかった.これからもカメパオを通じて,子ども達と交流できればと思う.



 避難所では,カメの翼プロジェクト,カメパオプロジェクトの我々だけでなく本当にたくさんの団体がいろいろなネタを持って,それこそ連日のようにやってくる.私が見たものを挙げると「折り紙教室」「科学実験教室」「読み聞かせ会」「歌の教室」「音楽教室」「フーセンアート」「タオルを使った人形作り」「シャボン玉教室」「生け花教室」などなど本当にたくさんの人々がやってきてそれぞれのことをやっていく.
 どれも,とても魅力的で実際やってみれば楽しいし気はまぎれるが,もっと自由に子ども達が絵を描いたり,工作できたりするようなものがあればそれもとても良いのではと,今回カメパオで遊ぶ子ども達を見て思った.
 マニュアルがあるわけではなく,手順があるわけでもなく,完成形が決まっているわけでもない自由な創造.それを私の達のような者たちが材料やアイデアの提供などで少しだけ手助けしてあげれば子ども達は本当に心から楽しんでくれるように感じた.
 子ども達の遊び場が,避難所や仮設住宅になっていってしまっているここでは,そのような支援をしてあげることもとても良いかもしれない.

harada